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第39話 フジ、決意する

Penulis: 天咲琴乃
last update Tanggal publikasi: 2026-06-30 20:05:20

柱の陰に立ったまま、フジは動けずにいた。

風が庭を抜けていく。

朝の光が石畳を照らし、その中央で向き合う二人の姿を静かに浮かび上がらせていた。

ルピナス。

ローゼン。

そして、その間に流れる空気。

フジはすべて聞いてしまった。

前世の真実。

ローゼンが彼女を裏切ったわけではなかったこと。

逃がそうとしていたこと。

そして今もなお、彼女を失いたくないと願っていること。

胸の奥が重く沈む。

知らなければよかったと思った。

だが知ってしまった以上、もう戻れない。

ルピナスの涙が落ちるのを見た瞬間、フジの胸が強く締めつけられた。

あの涙は、怒りではない。

憎しみでもない。

揺れている涙だ。

心が動き始めている証だった。

「……そうか」

小さく呟く。

ローゼンの想いは本物だった。

少なくとも今は。

それが分かるからこそ苦しい。

もし真実を知れば、ルピナスはローゼンを許すかもしれない。

そうなれば。

自分の居場所はどうなる。

その問いが初めて胸を刺した。

今まで考えたこともなかった。

守れればいいと思っていた。

傍にいられればそれで十分だと。

だが違った。

昨夜、ブラックローズから彼女を庇った時
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